タナ障害(滑膜ひだ障害・膝蓋内側滑膜ひだ障害)

こんな症状でお困りではありませんか?

膝を曲げ伸ばしするとコリッとした音や引っかかりを感じる
階段の上り下りや、しゃがみ・立ち上がり動作で、膝のお皿の内側あたりが痛む
ランニングやジャンプなど、スポーツで膝の内側が痛み、思い切り動けない
長時間座った後に立ち上がると膝の内側が重だるく、動き始めに痛みが出る
レントゲン上は骨や靭帯に異常はないがサポーターをしても膝がすっきりしない

タナ障害は、膝関節の内側にある「滑膜ヒダ(タナ)」と呼ばれる膜状の組織が、周囲の組織とこすれたり挟み込まれたりして、痛みや引っかかり感を生じる状態です。滑膜ヒダは多くの人に見られる正常な構造ですが、刺激が繰り返されて厚く硬くなるなどすると、症状の原因になることがあります。ただし、膝の内側の痛みやクリック音は、半月板や膝蓋大腿関節など別の問題でも起こるため、症状だけでタナ障害と決めつけないことが大切です。

要町駅近リカラダ整骨院では、膝の痛みや引っかかりがある場合、痛む場所だけで判断せず、大腿四頭筋の柔軟性、股関節・足関節のアライメント(アライメント=関節の配列)、日頃の体の使い方まで総合的に確認し、お身体に無理のない状態へ導く施術を行っています。

タナ障害で考えられる背景

■ 膝の曲げ伸ばしの繰り返しによる、滑膜ひだへの刺激

滑膜ひだは、膝を曲げ伸ばしするたびにお皿の内側で動いています。ランニングやジャンプ、階段の昇り降り、自転車、スクワットなど、膝を繰り返し曲げ伸ばしする動作が続くと、ヒダが挟まれたり擦れたりして炎症を起こすことがあります。炎症を起こしたヒダは厚く硬くなりやすく、そのぶん挟まりやすくなって、さらに刺激を受けるという悪循環につながることも考えられています。

■ 打撲や膝のひねりをきっかけにした炎症

転んで膝を打ったり、運動中に膝をひねったりしたことをきっかけに、滑膜ひだが炎症を起こして症状が出始めることがあります。はっきりしたきっかけが思い当たらないまま、徐々に痛みが強くなるケースもあり、経過には個人差があります。

■ 大腿四頭筋の柔軟性低下と膝蓋骨周囲の緊張

膝のお皿は、太ももの筋肉の働きと連動しながら動きます。太ももの筋力や柔軟性、膝のお皿の動きに偏りがあると、膝の前側や内側にかかる負担が変わることがあります。こうした身体の特徴だけでタナ障害と判断することはできませんが、動作を見直す際の確認ポイントになります。

■ 股関節・足関節のアライメント不良と運動時のクセ

股関節まわりの筋力バランスの乱れや足部の不安定性があると、歩行や走行時に膝が内側に入るクセ(ニーイン)が起こりやすくなり、膝関節内の特定の部位に偏った負担がかかる要因となります。

■ 運動量の急な増加や、痛みを我慢した活動の継続

部活動やスポーツでの練習量の急増や痛みが出ているのに同じ運動を続けたりすることは膝への刺激が続くことになります。またその逆に痛みを避けようとして膝をかばう動きが続くなどすると膝まわりの動きがさらに偏ったり滞ってしまうことがあります。

院長の経験から ~ランニングを始めてから膝の内側が痛み、引っかかる感じが続いていた30代女性~

健康のために週3回ほどランニングを始めたところ、「1か月ほど経った頃から、階段を下りるときに右膝のお皿の内側が痛むようになった。膝を曲げ伸ばしすると中で何かが引っかかるような感じもあり、走るのが怖くなってきた」というご相談をいただきました。

ご来院前に整形外科を受診されており、骨や靭帯に大きな異常はなく、膝の内側のヒダ(滑膜ひだ)による症状の可能性があると説明を受けていらっしゃいました。お身体の状態を確認させていただくと、膝を軽く曲げた状態でお皿の内側に圧痛があり、太ももの前や外側、ふくらはぎの筋肉に強い張りが見られました。また、片脚で立つと膝が内側に入りやすいなど、膝の使い方にも偏りがありました。

要町駅近リカラダ整骨院では、まず太もも・お尻・ふくらはぎの緊張を緩める徒手療法を行い、膝の負担を和らげるテーピングを施しました。あわせて、痛みの出ない範囲でできるストレッチと、太ももやお尻の筋肉を使う運動をお伝えし、症状が落ち着くまでの間はランニングの回数や距離を減らしていただくようご提案しました。

週1回ほどのペースで通っていただく中で、6週間ほど経過した頃には「階段が以前より楽になった」「膝の引っかかり感が気にならなくなってきた」と実感されるようになり、無理のない距離からランニングを再開されました。その後も、膝への負担が少ない走り方やケアの方法を続けていただいています。

ひとりで悩まないでくださいね

膝の内側に痛みや引っかかりがあると、「運動を続けてよいのか」「年齢のせいなのか」「しばらく休めば落ち着くのか」と迷うこともあると思います。タナ障害は、ほかの膝の不調と症状が似ていることもあり、自己判断だけでは原因を区別しにくい状態です。

膝の痛みをかばいながら運動を続けると、動き方が変わり、反対側の脚や股関節などに負担が広がる場合もあります。痛みが強いときはいったん負荷を減らし、症状が続く場合や腫れ・熱感が目立つ場合、膝が引っかかって伸ばせない場合には、整形外科などの医療機関で確認を受けてください。

「好きなスポーツを続けたい」「階段やしゃがむ動作を気にせず行いたい」「膝の違和感を気にせず仕事や日常生活を送りたい」——そんな希望を、膝の不調だけであきらめてほしくありません。

要町駅近リカラダ整骨院では、お一人おひとりの生活や運動習慣を伺いながら、膝にかかる負担を見直し、無理なく活動できる状態を目指してサポートします。膝のお皿の内側の痛みや、曲げ伸ばしの引っかかりでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

タナ障害でお悩みの方へ

― 医学的エビデンスに基づいた施術の考え方 ―

タナ障害は、医学的には「膝蓋内側滑膜ひだ症候群(Medial Plica Syndrome)」などの名前で研究されています。診断が難しい点や、手術を含めた対応の選択については、現在も議論が続いている分野です。一方で、運動プログラムやテーピングなどの保存的な管理を検討した研究が、いくつか報告されています。

当院では、このような研究知見もふまえ、医療機関での検査結果を尊重しながら、膝まわりの負担を和らげるテーピングと、太もも・お尻・ふくらはぎの緊張緩和、痛みの出ない範囲での運動指導を組み合わせた施術を中心に対応しています。

■ 保存的なアプローチは、タナ障害にどう関わるのか?

タナ障害(膝蓋内側滑膜ひだ症候群)に対する保存的な管理については、システマティックレビューやランダム化比較試験などで、手術との比較や、運動・テーピングを組み合わせた方法が検討されています。

① タナ障害に対する手術と保存的な管理を比較した、システマティックレビュー・メタアナリシス

Surgical and conservative management of medial plica syndrome: A systematic review and meta-analysis of functional outcomes

掲載誌(発行年)・著者:Journal of Experimental Orthopaedics(2025)/Franco P, Baumert P, Di Maria F, Jolly A, Matassi F, Abermann E, D'Ambrosi R, Fink C./システマティックレビュー・メタアナリシス/エビデンスレベルI

膝のタナ障害(滑膜ひだ症候群)について、手術と保存的な管理を比べた6件の臨床研究(ランダム化比較試験2件を含む、合計527名)をまとめたレビューです。12〜24か月の経過では、膝の機能スコア(Lysholmスコア)の改善に、手術と保存的な管理のあいだで統計的な差は見られず、手術のほうが優れるとする根拠は示されませんでした。研究ごとの結果のばらつきが大きい点や、保存的な管理の内容が研究ごとに異なる点も限界として挙げられており、まずは保存的な管理を優先する考え方が示されています。

② タナ障害に対する「関節鏡による切除」と「構造化された理学療法」を比較したランダム化比較試験

Medial Plica Syndrome of the Knee: Arthroscopic Plica Resection versus Structured Physiotherapy—A Randomized Controlled Trial

掲載誌(発行年)・著者:The Surgery Journal(2022)/Sauer S, Karlsen G, Miller L, Storm JO./ランダム化比較試験(RCT)/エビデンスレベルII

タナ障害の患者48名を、関節鏡で滑膜ひだを切除するグループと、構造化された理学療法(リハビリ)を行うグループに無作為に分け、4つの病院で2年間追跡した研究です。膝の機能スコア(Lysholmスコア)は、開始時の約66点から、切除グループで平均89.7点、理学療法グループで平均74.6点に上がり、どちらも改善がみられましたが、2年後の時点では切除グループのほうが有意に高い結果でした。理学療法でも改善はみられる一方、症状の程度によっては手術という選択肢もあることがうかがえます。

③ タナ障害に対する「運動プログラムにテーピングを併用した場合」を比較したランダム化比較試験

Functional effects of kinesiology taping for medial plica syndrome: a prospective randomized controlled trial

掲載誌(発行年)・著者:Physiotherapy Theory and Practice(2022)/Genc E, Duymaz T./ランダム化比較試験(RCT)/エビデンスレベルII

タナ障害の患者80名を、6週間の運動プログラムにキネシオロジーテープを併用するグループと、運動プログラムのみのグループに無作為に分けて比較した研究です。どちらのグループでも活動時・安静時・夜間の痛みは軽くなりましたが、6週間後の数値はテープを併用したグループのほうが良好でした。階段の昇り降りにかかる時間や、日常生活での支障の度合いを示すスコアでも、テープを併用したグループで良い結果が報告されています。

④ タナ障害に対する保存的な管理が、うまくいきにくい方の特徴を調べた後ろ向き観察研究

Predictors for an unsuccessful conservative treatment of patients with medial patellar plica syndrome

掲載誌(発行年)・著者:Archives of Orthopaedic and Trauma Surgery(2021)/Blanke F, Oehler N, Al Aidarous H, Tischer T, Vogt S, Lenz R./後ろ向き観察研究(コホート研究)/エビデンスレベルIII

タナ障害の患者117名について、全員が3か月間の保存的な管理を受けたあとの経過を振り返り、症状が落ち着いた方と、手術が必要になった方の違いを調べた研究です。滑膜ひだが厚い、お皿の裏の軟骨に接している、膝を曲げ伸ばしする全体を通して内側の痛みや引っかかり感が続く、といった特徴がある方は、保存的な管理だけでは症状が続きやすい可能性が示されました。症状に応じて、医療機関と連携しながら判断することの大切さがうかがえます。

■ なぜ筋肉・動き方へのアプローチが症状の緩和に役立つのか?

タナ障害の背景には、滑膜ひだそのものの状態だけでなく、以下のような身体的な要因が症状の出やすさに影響していると考えられています。

  • 膝の曲げ伸ばしの繰り返しによる、滑膜ひだへの刺激や挟み込み
  • 太もも・お尻・ふくらはぎの筋肉の硬さや、使い方のアンバランス
  • 痛みをかばうことで起こる、膝まわりの筋力低下や動きの偏り
  • 運動量や膝の使い方が合わないことによる、炎症の長引きやぶり返しやすさ

ただし、上記の論文は主に運動プログラムやテーピングなどを検討した研究であり、徒手療法そのものの効果を直接検証したものではありません。また、滑膜ひだの状態によっては、保存的な管理だけでは症状が続き、手術が選択肢となることもあります。当院では、これらの知見をふまえ、膝まわりの負担を和らげるテーピングを土台に、太もも・お尻・ふくらはぎの筋緊張の緩和と、痛みの出ない範囲での運動指導を組み合わせることで、膝に余計な負担がかかりにくく、動かしやすい状態を整えていきます。

■ 当院の施術の特徴
  • 痛む場所・引っかかる角度・動作ごとの痛み方など、膝の状態の丁寧な確認(他の膝の症状や、強い症状が疑われる場合は医療機関をご案内)
  • 膝まわりの負担を和らげるテーピング
  • 太もも・お尻・ふくらはぎの筋緊張への丁寧な徒手アプローチ
  • 痛みの出ない範囲でのストレッチ・筋力運動の指導と、運動量や日常動作の見直しのご提案
■ 医療機関での検査と併せて、身体面からのサポートを

膝が引っかかって動かなくなる、強い腫れや熱っぽさがある、夜も痛みで眠れない、転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た、といった場合は、まず整形外科等の医療機関での検査を受けていただくことが大切です。そのうえで、膝まわりの筋肉の状態や動き方、運動量を整えることは、膝への負担を減らし、スポーツや日常生活に戻っていくための助けになり得ます。「また安心して運動したい」「階段の痛みを気にせず過ごしたい」という方は、お一人で抱え込まずにご相談ください。

  • 膝が引っかかって動かない、強い腫れがあるなどの症状がある膝の痛みは、まず医療機関での検査が基本となる
  • 複数の研究をまとめたレビューでは、タナ障害に対して手術が優れるとする根拠は示されなかった一方、個別の研究では結果が分かれており、症状の程度に応じた判断が大切
  • 運動プログラムにテーピングを併用することで、痛みや日常動作の支障がより軽くなったとする研究が報告されている

タナ障害かもしれない膝の引っかかりや、階段・しゃがむ動作での痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。